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更新日:2024.02.25 / 掲載日:2024.02.03

クアドリフォリオは怪物クラスのアルファ ロメオ【九島辰也】

文●九島辰也 写真●アルファ ロメオ

 あまり話題になっていないので、知らない方も多いと思いますが、アルファ ロメオのジュリアとステルヴィオに設定されるフラッグシップ、“クアドリフォリオ”が進化しました。日本仕様の発売は昨年11月なので、すでにオーダーした方もいらっしゃることでしょう。クアドリフォリオは特別なモデルですからね、狙っている方は少なくないかと。

アルファ ロメオ ジュリア クアドリフォリオ、ステルヴィオ クアドリフォリオ

 今回の仕様変更のトピックスはメカニカルLSDで、スポーツドライビングをより楽しくするために改良されました。コーナリング時の左右の速度差を制御し、エンジントルクを無駄なく路面に伝え、コントロール性を高める役目をするそうです。まぁ、この辺は実際に走ってみないとわからないので、今はなんとも言えませんが。とはいえ、マツダロードスターのスーパーLSDとアシンメトリックLSDの違いはワインディングでわかりましたから、走る機会があれば判断はつくでしょう。試してみたいですね。こういった重箱の隅をつつくような進化は大好物です。

 この他では12.3インチのデジタルクラスターメーターを新たに採用し、表示パターンを充実させました。“Evolved”、“Relax”、“Heritage”の他に新たに“Race”が追加されたようです。レブカウンター、スピードメーター、マニュアル操作時のシフトランプが中央に集約させるそうですから見もの。レーシーな気分を味わえることでしょう。デジタルによる演出は大切です。

12.3インチのデジタルクラスターメーターを新たに採用

 でも何よりも魅力的なのはエンジン。2.9リッターV8ツインターボは510psを発揮します。5リッターV8並のパワーですよね。まさにモンスターマシン。しかもエキゾーストサウンドがすごい。アクセルを踏み込むと、レーシングカーのような唸り声を上げて加速します。アドレナリン全開です。スタートボタンを押した直後のブリッピングからして迫力満点なので、只者でないのがわかります。その赤く塗られたスタートボタンはステアリング上にあり、左手の親指で押します。こんなちょっとしたレーシーな演出もうまい。スパルコ社製のカーボンバケットシートもヤバいでしょう。まんまレーシングカーです。

 でもどうしてクアドリフォリオ、つまり四葉のクローバーの名がこんなモンスターマシンに付けられたのでしょう。

 その理由は戦前まで遡ります。当時アルファロメオはレースで活躍する高性能マシンの製造会社でした。公道レースでお馴染みのタルガ・フローリオや今日のF1の基礎となるグランプリレースが主戦場です。ライバルはマセラティやメルセデス・ベンツ、アウトウニオンあたり。1920年代から30年代の話です。

 そこで戦うアルファロメオのマシンに四葉のクローバーが描かれていました。理由は幸運をもたらすため。レースでポディウムに立てることと無事にレースを終えることを願って描かれました。四葉のクローバーがラッキーチャームであることは日本もヨーロッパも同じなんですね。でもイタリア人がするとなんかオシャレに思えるのは気のせいでしょうか。

2024年3月までの成約で、「Alfa Romeo ドライビングアカデミー」への招待チケットがプレゼントされる

 現在四葉のクローバーはエンブレム化されていて、フロントフェンダー後方につきます。白地の三角形にグリーンの4枚の葉がそれです。よく見ると葉と三角形にシルバーの縁取りが施してあります。一見可愛らしい飾りにも見えますが、じつはそれが500馬力以上を発揮するモンスターマシンの証なのですから不思議ですよね。洒落が効いています。

 といった内容なので、クアドリフォリオは値段もモンスター級。ジュリアが1340万円、ステルヴィオが1383万円のプライスタグを付けます。まぁ、スーパーカークラスのエンジンパワーを鑑みれば、高くはありません。実際にスーパーカーを買おうとしたらこの倍はしますから。そう考えれば、人が5名乗れて荷物もフツーに積めますからね。お値打ちかもしれません。まさにこの手もあり!な一台です。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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